長文です。
某メガネレンズメーカーの友人とずっと話し合ってきた大人のメガネレンズ。
彼も私もすっかり大人になった今、実体験から自己検証を行い、やっと皆さんにご提案できるものになりました。
その名も、【50才からのドライビングメガネ】
「Kaniya・DriveTune・Glasses(カニヤ・ドライブチューンメガネ)」
***カニヤが考える運転専用メガネ開発話Vol.1***
人間の眼は6歳で完成し、その後は加齢とともに機能は低下し50才代でピント合わせに必要な調節力はほぼゼロになっていきます。
調節力は衰えても見えなくなるわけではないのでご安心くださいね。
その状態を克服するため、手元の物を見る時は老眼鏡、パソコンや室内環境が快適な中近両用、運転から手元までカバーする遠近両用等のメガネレンズが数多く存在しています。
私自身も「手元専用」「室内用」「外出用」と使い分けながら日々快適に生活しております。
そんな中、加齢とともに不満を感じ始めたのがドライブでした。
以前は、遠近両用レンズでの運転に何も不満が無かったはずなのに…
遠近両用レンズの基本は、遠方=50%、中間距離=20%、手元=30%のような割合で設計されているものが大半です。
数字から見ると何も不便はないようですが、問題になるのが横方向のクリアゾーン!
特にカーナビを見たいポイントの中間距離ゾーンは横方向のクリアゾーンが狭いため顔を正面に向けなければならず、カーナビの情報を確認するにはピントの合う位置を探すようなアクションが必須になります。
カーナビを見たいときは曲がり角や車線変更が必要な状況の中、前方も注視しなくてはいけない時なのでストレスはたまるばかり。
だから、考えました!
運転専用の度数調整と運転姿勢優先のレンズ設計を融合した「Kaniyaドライブチューニングレンズ」蘇れ、目力!
***カニヤが考える運転専用メガネ開発話Vol.2***
《 商品化するまでの道のり編 》
前回は運転時とカーナビゲーション確認の両立を問題視いたしましたが、まずは視線移動距離や視線角度を検証する必要がございます。
自家用車での測定は出来ても車の設計理念からのデータを調べたく、ほぼ全メーカーに以下のような問い合わせを行いました。
【問合せ内容】
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私は眼鏡店を営んでおりますが、お客様の運転用メガネを製作するにあたり御社のカーナビゲーション画面の設置場所について質問いたします。
平均的な体系の人が運転席で乗車姿勢をとった時に遠方視線からカーナビゲーション画面の高さはどのくらい下になるよう設計されていらっしゃいますか。
車種によって違うとは思いますが、基本設計上のデータがございましたら教えていただきたくお願いいたします。
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そして、2社を除きほとんどの返答は
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「このたびお問い合わせいただきました、ナビゲーションシステムの画面の高さに関しましてご案内いたします。
社内に確認いたしましたが、ご案内できる寸法のデータはございませんでした。
ご記載いただきましたとおり、極端に目線が下がらないような位置に設置しておりますが、ディスプレイまでの高さとしてのデータがございません。
また、ご推察のように、車種によりシートの位置や角度もさまざまでございます。
従いまして視線の角度もさまざまなために、目安となる数値をご要望いただいたことかと拝察いたしますが、お役に立てず心苦しい限りでございます。」
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となりました。
違う回答をいただいたH社様からは
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「恐れ入りますが、ナビ画面の取付高さをご案内できる情報はなく、メータ周辺の風が吹き出されるエアーアウトレットの高さ付近とお伝えさせていただきます。」 |
と具体的な位置の話が伺えました。
そして、一番詳細なコメントをいただけたのがM社様です。
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「ご質問いただきました、ディスプレイ画面の設置高さというような基準につきましては、あいにくお答えできる情報はございませんが、マツダコネクトを例にあげた場合、画面にナビゲーション地図を映しだしておりますことから、従来のセンターパネルに埋め込むタイプよりは高い位置となり、走行中に目線をより動かさなくても視認できるものとなってございます。
マツダでは、高度情報化時代に対応した、新しいコクピットづくりへの取り組みとして、
(1)前方道路から“心”が離れること(2)前方道路から“目”が離れること(3)ステアリングから“手”が離れること 以上、3点が運転への集中が阻害され、注意が散漫になる要因と考え、これらを最小化するための技術を取り入れました。
視線移動時間の短縮として、センターディスプレイを視界の妨げにならない程度にできるだけ上方に配置することで対応しており、2013年のアクセラ以降の新世代商品では見下ろし角度を15度にまで小さくし、視線移動の短縮を図っております。」
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私のような素人の問い合わせにも真摯にご返答いただき感謝いたします。
やはり、現在のクルマは運転視線を大きく動かすことなく情報を得られるよう設計がされていることが確認できました。
しかし、ここでメガネレンズとしては大問題が発生いたします。
遠近両用メガネレンズ内で遠方視線から近方視線までの距離を短くすればするほど側方の歪みが増してしまうのが宿命だからです。
さぁ どうする!?
運転専用の度数調整と運転姿勢優先のレンズ設計を融合した「Kaniyaドライブチューニングレンズ」蘇れ、目力!
***カニヤが考える運転専用メガネ開発話Vol.3***
《 実際のテストドライブ編 》
快適な運転にもっとも重要なのは遠方視。
それならばと、テストドライブ1回目は
「遠方視力完全補正で製作した遠方専用メガネ」
抜群の視野とシャープな見え具合!これぞ運転用メガネと十分に感じさせてくれます。
がしかし、遠方からカーナビゲーションはもちろんのことスピードメーターに視線移動をした時に焦点が合うまでの時間が怖いほど長い。
ピントが合うまでの時間は前方から視線を外しているわけですから車内の情報量が多い現代のクルマのドライブには残念ながら不向きと言わざるを得ません。
(眼鏡使用の必要が無いドライバーは大丈夫なのか?という事案は最終話でご紹介します。)
そして次のテストドライブは、
「視線移動のタイムラグを解消する遠近両用メガネ」
当たり前ですが、遠方もカーナビもメーターにもピントが合うので快適です。
遠近両用と呼ばれているレンズですが、正確には累進焦点レンズ。
わかりやすく説明すると境目が無く、遠・中・近となだらかに度数が変化する設計です。
名前のとおり遠方はもちろん中間距離にもピントの合うエリアがあり、その部分でカーナビ、その下の近の部分でスマートホン画面が見えるようになります。
第一話でお話いたしましたように遠中近の比率はおおよそ50:20:30となりますので遠方視野重視で中間と近距離はおまけと考えてもよいかと思います。
運転用ですから遠方視を極限まで見えるように遠方必要度数は弱めることなく完全補正値の度数に決定し、手元を見やすくするために加入度と呼ばれる手元のアシスト度数もしっかりと加えたレンズで製作しました。
さぁ、結果は如何に…
テストしている私は普段に遠近両用レンズを使用しておりますのでテストドライブも問題なく対応できました。
免許更新に必要な視力は十分に確保され普通に運転するには遠くも見えるしカーナビもスマホのチェックも出来てとっても優秀です。
メガネとしては全く不満は無いはずなのですが、運転を快適にするべきメガネとしては何かが違う。
その違和感を解消させるべく、
遠方視のシャープ感を謳う遠近両用レンズの設計に変えて試したり、
最新の設計レンズを試したり、
普通に運転するのは十分なメガネたちでしたが、ドライブが楽しいメガネではありませんでした。
それは、視界がシャープではない…
シビアに見ようとするとピントの甘さを感じるのです。
運転が楽しくて仕方がなかった若かりし頃の視界と比べると、一生懸命見ないと見えていないようなストレス。
今回、テストドライブを繰り返す中で この感覚が運転の楽しさに影響していると強く感じます。
50才を過ぎると調節力が減退しますので加入度と呼ばれる手元を見る時のアシスト度数も強くなり、側方視野の滲みが増えやカーナビ画面のピントもタイトな状況になります。
遠近両用メガネで遠くも近くもしっかりと見えるようにするとすべての距離(視野)にシワ寄せがきてしまうのです。
さぁ どうする!?
運転専用の度数調整と運転姿勢優先のレンズ設計を融合した「Kaniyaドライブチューニングレンズ」蘇れ、目力!
***カニヤが考える運転専用メガネ開発話Vol.4***
《 既成概念の撤廃編 》
ドライブメガネに必須なシャープな遠方視野に優れた遠方専用メガネは、コクピットの情報確認がしにくいので不向き。
手元も見える利便性で優る遠近両用メガネは、シャープな見え具合では遠方専用メガネには敵わない。
行き詰ってしまった遠近両用メガネ…
では、遠近両用レンズの遠方視をシャープにすることは不可能なのか?
その方法を列挙しましょう。
1)遠方度数を弱めずに設定する。
(ドライブ用ですから当たり前ですよね。)
2)手元を見やすくするアシスト度数を弱めに設定する。
(レンズの特性上アシスト度数を弱めにすることで横方向の歪みが激減します。)
3)周辺の歪みを抑えることができるレンズ設計を使う。
(日進月歩な遠近両用レンズですので最新の設計は間違いなく使いやすい。)
4)遠方視のアイポイントから手元のアイポイントまでの距離を長めの設計を使う。
(累進帯と呼ばれる距離を長くすると歪みが少ない見え方になります。)
5)通常の視力測定だけでなく両眼視検査も行い快適度数を決定する。
(右目と左目と両方の目でピントが合うことも大事な事ですのでカニヤでは両眼視検査や眼位検査を行います。)
6)視野の広いフレームデザインを選ぶ
以上の内容が大事な事は眼鏡屋として熟知しています。
あらためて すべての要件を満たす運転用メガネを作成いたしました!
結果、納得がいきません…。
ココからが、運転大好きな眼鏡屋の私と、負けず劣らず運転が好きな某レンズメーカー勤務の友人とのチャレンジでした。
全ての方法を洗い直し、今までの常識的な調整からは非常識と思える新しい考え方にトライしました。
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遠方度数は遠近両用レンズ特性を考慮した独自の度数数値に設定。
スマートフォン等の近距離視野を大胆に除外し、メーターとカーナビゲーションの中間距離のみをアシストする方法に切り替え。
遠方視と中間視に重点を置くことにより常識とは逆にシャープな視線移動が可能なショートタイプ設計を採用。
通常の視力測定だけでなく両眼視検査も行い快適度数を決定。
サイズの大きなメガネで得る広い視野ではなく、ソリ角を伴う形状による歪みの少ない有効視野を確保可能なフレームデザイン選択。
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その仕上がり具合は…
自分で評価するのもおこがましいですが、合格です!
10組以上のメガネを繰り返しテストし、ついに納得がいく運転専用メガネに到達いたしました。
最終的な答えは、「捨てることで、得る!」
まさに、コーリンチャップマンの教えのような結論にたどり着いたのです。
友人も私も長く眼鏡に携わる間に「メガネとは何か?」ということに対し完璧を求めることが当たり前になっておりました。
もちろん、一般的なメガネに対しては完璧を追求することは大事な事ですが、今回のドライビングメガネは運転に必要な物だけを装備し身軽にすることで得られるものだったのです。
ということで、
カニヤ・ドライブチューンメガネは…
スマートフォンの画面は、快適に見えません! |
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「その代わりに、極上の運転視野を提供します。」 |
運転専用の度数調整と運転姿勢優先のレンズ設計を融合した「Kaniyaドライブチューニングレンズ」蘇れ、目力!
***カニヤが考える運転専用メガネ開発話Vol.5***
《 完結編 》
加齢とともに不満を感じ始めたドライブ。
以前は遠近両用レンズでの運転に何も不満が無かったはずなのに…
昔のように楽しくドライブがしたい!
ただそのことだけに拘り続け 試行錯誤を繰り返した1年間。
運転専用の度数調整と運転姿勢優先のレンズ設計を融合させ、
運転時に不要な極近距離視界を大胆に除外することにより、極上の運転視野を手に入れた
「Kaniyaドライブチューニングレンズ」。
蘇った目力でのドライブはどんな感覚だと思います?
「ワタクシ、ずっと笑顔で走っておりました。」 (^^)
見ようと努力しなくても見える喜びが、運転をこんなにも楽しくさせてくれるのかと再認識いたしました。
読書用メガネ、パソコン用メガネ、室内用メガネ等の用途別メガネの仲間に「運転用メガネ」をぜひ皆さんにご提案させてください。
運転中のカーナビ情報を確認出来るだけでなく遠方視のシャープな見え方を望まれる方、夜間や雨天時の運転に見づらさを感じる方、
そして、何よりも楽しく運転をしたい方に「Kaniyaドライブチューニングレンズ」をお試しいただきたいです。
「Kaniyaドライブチューニングレンズ」をデビューさせるにあたり、検眼スペースにsparcoのバケットシートを導入いたしました。
実際の運転姿勢を実現できるだけでなく、視力検査中も快適な姿勢が保てます。
「Kaniyaドライブチューニングレンズ」の価格は1ペア:¥17,050よりご用意しております。
ご利用中のメガネのレンズ交換にも対応できますし、カニヤのオリジナルメガネフレーム「バイカーズグラス」
との組み合わせはドライブやライディングに適したソリ角度を有し視界が広がり特におすすめです。
ここまでご案内してまいりましたが、「運転にメガネは不要なんだよね。」という貴方。
裸眼よりもシャープに見えて瞬時にカーナビが確認できるメガネが出来るとしたら興味がわきませんか?
運転に眼鏡使用の必要が無い方にも体験してもらいたいのが「Kaniyaドライブチューニングレンズ」です。
蘇る目力をぜひご体験ください。
長文にお付き合いいただきありがとうございます。
また、個人の眼鏡屋の質問にも真摯に対応していただきました自動車メーカーの方、一緒に試行錯誤してくれたレンズメーカーの友人に御礼申し上げます。
【50才からのドライビングメガネ】に「Kaniyaドライブチューニングレンズ」をぜひご検討くださいませ。
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