川越大正浪漫人 Romanbito

シマノコーヒー大正館 島野晃浪漫人シマノコーヒー大正館 島野晃

小江戸と呼ばれる川越にあって、数ある喫茶店の中でも人気があるのが大正浪漫夢通りの『シマノコーヒー大正館』です。大正時代のカフェーの雰囲気が漂い、サイフォンで淹れる自家焙煎の美味しいコーヒーが味わえます。女性には手作りケーキもたいへん好評です。オーナー兼マスターの島野晃さんにカウンター越しにいろいろとお話を伺いました。

「『シマノコーヒー大正館』は、平成8年8月24日にオープンしました。独立するため、中央線と西武線沿線で喫茶店のチェーン展開をしていた会社を辞め、生まれ故郷の川越で店探しを始めたのですが、この場所と出会うまでに1年かかりました。ちょうどこの通りの象徴だったアーケードが取り払われ、商店街の名前が銀座通りから大正浪漫夢通りに変わる頃でした。」

島野さんは、結果的に自分が生まれ育ったすぐそばに店を構えることになりました。島野さんの言葉にもあるように、商店街が銀座通りから大正浪漫夢通りへと生まれ変わるタイミングだったため、大正をモチーフにした店作りを目指しました。

「昔のカフェーやミルクホールをイメージして、店の名前にも大正館と入れることにしました。もし大正浪漫夢通り以外の場所にお店を作っていたら、こういう雰囲気にはならなかった思います。ですから、『シマノコーヒー大正館』は大正浪漫夢通りに生かされていると、いつも感謝しているんです。」

大正浪漫夢通りあっての『シマノコーヒー大正館』だと島野さんは言います。そういえば、ウェイトレスの着ている制服がレトロな感じで、お店や大正浪漫夢通りの雰囲気にぴったり。特に女性からカワイイ(ハートマーク!)とかなり支持率が高いようです。

「最初はちょっと恥ずかしかったですね。制服フェチ?と言われたこともあります。そんなことは全然ないんですけど。喫茶店というと、ジーンズにTシャツのお店もあったり、特にこうしたいというのはなかったんですが。やはり制服を決める段階になって、昔のカフェーやミルクホールのイメージで考えていくと、今のような制服になりました。」

ここで島野さんに喫茶店のマスターとしてのこだわりを聞いてみると、ちょっと意外な答えが返ってきました。

「本来いい加減な人間なんで、お客様に言えるような特別なこだわりはないんです。自家焙煎やサイフォンで淹れることは、僕にとっては普通のことですし。コーヒーを飲みながら、いろいろな話をしたり、買ったばかりの本を読んだり、その時間や空間を自分のスタイルで楽しんでもらえるのが一番ですね。それが本来の喫茶店だと思うんです。昔ながらの喫茶店がいいですね。」

ちょっと目から鱗です。あくまで自然体の島野さん。分かりました、この自然体な感じが『シマノコーヒー大正館』のあったかくて穏やかな雰囲気を作っているんですね。ファンも多いはずです。常連さんが仕事の空き時間にちょっと寄って、コーヒーを飲みながら、島野さんとしばし話をして、さっと帰っていくという光景をよく目にします。見送る島野さんの優しい顔といったら!その島野さんが去年また新しいお店を作ってしまったんです。

「去年、仲町交差点の近くに『紅茶浪漫館シマ乃』という店をオープンしました。急な話だったので本当に忙しかったのですが、今度は紅茶の専門店です。大正館とはまた違った雰囲気のお店です。ぜひ紅茶を楽しみながら、ゆっくりくつろいでいただきたいと思います。」

ジャズが流れる『シマノコーヒー大正館』の店内で島野さんのお話を伺っている間、入れ替わり立ち替わりお客様が訪れていました。ウェイトレスからオーダーが告げられると、口頭で繰り返し、コーヒーを淹れたり、パンを切ったり、アイスクリームを盛り付けたり・・・。ムダのない機敏な動きでテキパキ注文をこなしていきます。その動きには美しささえ漂います。マスター。まさにこの言葉の響きが島野さんには似合います。

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